銀について

　　　銀はあらゆる金属の中で最も白く、可視光線の反射率が金属中最大の98％で、とても美しい金属光沢があります。
　　　冷たい印象がありますが、熱伝導率は貴金属の中で最も高く、肌になじむ素材です。
　　　化学変化が起きやすい性質があり、昔は身分の高い人々が暗殺を避けるために
　　　砒素に反応して変色する銀の食器を使っていたとのこと。

　　　水分や硫化水素と接触することで表面に硫化銀ができるため、空気に触れていると徐々に変色してしまいますが、
　　　日頃から布で拭いたり、ぬるま湯で薄めた中性洗剤で洗うと、汚れはかなり落ちます。
　　　洗った後は流水でよく濯ぎ、布で水気を完全に取って十分に乾燥させてください。
　　　シルバーポリッシュを使うと手軽ですが、薬品によるかぶれが心配な方は上記の方法をお勧めします。

　　　また、硫黄に反応するため、温泉に入れると真っ黒に変色してしまいます。（燻し銀と同じ状態です）
　　　輪ゴムや卵黄にも注意してください。

　　　純銀は柔らかいため、銅など他の貴金属との合金にすることで強度を上げて使用することがほとんどです。
　　　シルバーアクセサリーに使われているのは、鋳造する際に流れやすく、粘り強い「Silver925」か
　　　柔らかく加工しやすい「Silver950」が主です。
　　　一部、バネにSilver900、石留めの覆輪に純銀が使用されます。
　　　ivy cageで使用しているワイヤーやパーツ、金具は主に「Silver925」または「Silver950」です。



　　　　　　　　　金属アレルギーについて

　　　どの金属が原因でアレルギーが起こるかは個人差によるところがありますが、
　　　基本的に銀はアレルギーを起こしにくい金属に分類されます。
　　　一般的なアクセサリーに使われる金属のなかでは、以下のように分けることができます。

　　　銀、チタン、アルミニウム、鉄　…アレルギーを起こしにくい
　　　金、銅、プラチナ、パラジウム、ニッケル　…アレルギーを起こしやすい

　　　金やプラチナによるアレルギーは、合金に使われるパラジウムや銅が原因となることも多いのですが
　　　純金や純プラチナがアレルギーの原因にならないわけではありません。
　　　同じように、純銀にも体質によってはアレルギーを起こす場合がありますし、
　　　Silver925などの合金には銅が含まれているため、これが原因になる場合もあります。

　　　ちなみに、国内ではニッケルを原因とした強いアレルギー反応が問題となり、最近では使用が控えられています。
　　　しかし規制対象ではなく、ニッケルを含むアクセサリーは一般に流通しており、海外のメーカーからも輸入されています。
　　　※「ニッケルに関するヨーロッパ指令」をご参照ください。

　　　アレルギーが起きた場合は、すぐに使用を中止し、専門医に相談してください。
　　　また、事前にパッチテストで貴金属のどれかにアレルギーがないか調べておくのも効果的です。
　　　特にピアスホールは他の部位よりアレルギーを起こしやすいので、常に清潔に保つようにしてください。