商品説明によく登場する単語について解説致します。
わかりにくいと感じられる単語などありましたならご一報くださいませ。
「宝石質」
宝石に次ぐグレードのこと。
色、カット、透明度やインクルージョンの状態などから総合的に判断した結果、
極めて高品質であり「宝石になる可能性がある」とされた原石が「宝石質」とされ、
宝石を取り出した残りの部分が「宝石に近い品質」としてビーズ等に加工されます。
単純に「ビーズに加工される天然石のなかでは一番良い品質」と言い換えてもよいでしょう。
仕入れ先の業者様のほうでこのように表記されていた場合にはそのまま用いることにしていますが、
こういったグレード表記には一般的な基準がありません。
当店では傷の状態や、カットの様子、透明度などについて、商品説明文において表記しております。
また、仕入先で特に品質表示がされていない場合には無表記になります。
実物を手に取り、吟味した上で仕入れておりますので、「宝石質」表記のあるものに負けず劣らず、状態が良い石も多々あります。
補足「A」~「AAA」など
販売されている天然石にはこのようなグレード表記が多く見られますが、
こちらも業者様の主観によって決められるもので、一般的な基準がありません。
「A」が多いほど上質、「B」は低品質といったような表記で、たとえば「AAA++」という表記がありますが、
意味は「ぎりぎり宝石質には届かない程度に高品質なもの」です。
しかし基準が定められていないため、例を挙げるならば
「宝石質ラブラドライトAAA++」という矛盾した表記がみられるなど、目安としても曖昧です。
そのため、当店ではこれらの表記を品質表示として用いることを控えております。
「インクルージョン」
石内部に含まれている内包物(他の鉱物や液体・気体など)や傷のこと。
はっきりと肉眼で見えるものと見えにくいものがあります。
水晶で言うと、中に目に見える大きさのルチルがあれば、ルチルを内包した水晶=「ルチルレイテッドクォーツ」。
何も入っていないように見えても石そのものが黄色の水晶なら、透明な水晶に鉄を内包したもの=「シトリン」です。
エメラルドやルビーも、それぞれベリルやコランダムといった鉱物の結晶に
クロムという別の鉱物が内包されてはじめて、エメラルド特有の緑や、ルビーの赤といった色になります。
これが目に見えにくい(細かい)インクルージョンです。
宝石の価値基準では、インクルージョンが少ない=目立つ傷や内包物がないことがよいとされている一面もありますが、
インクルージョンによる色や模様は、また別の価値を持っています。
当店では、明らかに汚く見えたり、軽くぶつけただけで破損するような傷があるものの他は、
その石の状態を表記した上でアクセサリーに用います。
よく目をこらさなければ見えないようなものについては特に表記をしておりませんが、
見てわかるインクルージョンについては、「品質表示」兼「特徴」のつもりで表記することにしています。
衝撃によって割れ・欠けに繋がる可能性の高いものにはその旨表記致します。
「クラック」
石内部の皹のこと。「内傷」と表記することもあります。
インクルージョンの一種に分類されますが、内部に傷があれば当然割れる確率は上がるため、注意が必要です。
とはいえ内傷の全くない天然石というのはそもそもあまりないので、
傷も天然石の特徴のひとつと捉え、破損に繋がる可能性の低いものを選んで使用しております。
「ブレミッシュ」
石をカットした後についた擦り傷や引っ掻き傷などのこと。「外傷」と表記しています。
これは天然の傷ではないため、その石のビーズとしての完成度に反映される部分が少なからずあります。
しかし硬度の低い石の場合、どうしても傷がつきものです。
例えば、砂埃には石英が含まれているため、埃っぽい場所に置いていたり、表面についた埃を指で払っただけで、
ペリドットやフローライト、アパタイトなど、石英より柔らかな石には傷がついてしまいます。
なかには、研磨が十分でないために残っている傷もありますが、これはよほど石が綺麗でなければ使わないようにしています。
「ファセット」
カットされてできた平らな面の一つ一つのこと。日本語では切子面です。
「特殊効果」
石のインクルージョンや構造によって起こる光学的効果。猫目やスター、シラーや遊色効果など。
「シラー」
光彩。ムーンストーンに関してはアデュラレッセンスと同義。類義語:特殊効果。
「イリデッセンス」
虹色効果のこと。 結晶の内部構造による光の干渉で宝石の内部や表面に現れる遊色効果をいいます。
「アデュラレッセンス」
ムーンストーンの層状構造によるシラー(光彩)のこと。アデュラーと表記することもあります。
ブルーやホワイトがあり、ブルーのアデュラレッセンスが出るものがブルームーンストーン(稀少)で、
ホワイトのアデュラレッセンスが出るものがホワイトムーンストーン、オレンジムーンストーン、
グレームーンストーン、グリーンムーンストーンなどです。
(地の色が違ってもアデュラレッセンスは白か青)
※「レインボームーンストーン」には虹色の光が見られますが
「レインボームーンストーン」はムーンストーンではなくホワイトラブラドライトのため、虹色はラブラドレッセンスによるもの。
ムーンストーンと定義される石には、白と青以外の特殊効果を持つものはありません。
「ペリステリズム」
ペリステライトの層状構造によるシラー(光彩)のこと。
鳩が首を動かす時、羽毛に見られる光沢を想わせることから「ぺリステラ(鳩)」と表現。
このペリステリズムの見られる長石の一種がペリステライトと呼ばれます。
ペリステリズムには白と青があり、ムーンストーンによく似ているため頻繁に混同されますが、
ムーンストーンとは構造が異なり、同一のものではありません。
「ラブラドレッセンス」
ラブラドライトに見られる独特のイリデッセンス(虹色効果)のこと。
(元の語は「ラブラドライト・エッセンス」)
「シャトヤンシー」
猫目効果のこと。キャッツアイともいいます。
石内部に平行に並んだ針状インクルージョンからの光の反射による特殊効果を指します。
「プレイオブカラー」
オパールにみられる特殊効果のこと。遊色効果、タンパク光ともいいます。
オパール内部の珪酸粒子の配列による光の干渉と回折によって
様々な色の光が浮かぶさまをいいます。